【お笑いで落語とピン芸人どちらの笑いが本物か?】

初めましての方は初めまして、そうでない方も初めまして。トゥエルブという高度合成数です。

今回、落語家である歌丸さんがピン芸人を指摘したと聞いて下らない自分の意見をダラダラ書き連ねました。途中から論点脱線したりしました。

するとびっくり2000文字オーバー。ツイッターでは足らない、メモ帳スクショしてもまだ足りなぁいとこのためだけにブログ開設。最初で最後の記事かもしれないですがどうぞよろしくお願いします。

ここでは芸人さんの芸名などは敬称略とさせていただきます。

 

 

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ツイッターで流れてきた例の文がこちら。どこのサイトともしれないスクショで申し訳ないですが話題にするのであれば必要なので...

 

 

 

早速迅速結論から言うと落語や漫才とピン芸人や大道芸を比べるのは比較対象が全く違う的外れな行為です。

どちらが本物の芸人かなど知ったこっちゃない。

消防車と宇宙のどちらがよりパイナップルかを競うようなもの、意味不明です。

 

 

自分の意見だと宇宙の方がパイナップルかな

 

 

…もう少し分かりやすい例えをしましょう。

落語は昇格戦を勝ち上がったプロ棋士です。対してピン芸人はじゃんけん大会優勝した某アイドルグループの誰かさんですね。

歌丸さんの主張はこれを比較してるのとほぼ同じ、どちらが実力で上がってきたかは明白です。同じ勝利ですが価値が違います。

落語というのは文学や歴史を学んで完成する素晴らしい芸風文化です。

言語の研究や人の観察を極めた成果を誰でもできるじゃんけんを同じにされたらそりゃ怒るでしょ。

 

ただじゃんけん大会「優勝」は誰でも出来ないですよね?ただ1人です。

今テレビに出ているサンシャイン池崎は数いる叫ぶだけ芸人でトップを勝ち取っているのは事実、これを否定するのもまた滑稽なのです。

あなたは叫ぶだけでお笑い大会を確実に優勝できますか?もちろんサンシャイン池崎は叫ぶだけではなく顔芸などを合わせ、サンシャイン斎藤と巡り会えたことが大きいのですが、それを含めて勝利を実現したのは「誰でも」ではなく「サンシャイン池崎」です。

需要がある限り勝者は必ず存在しますがそれを決めるのは自分ではないのです。そして勝ち取ったのは自分なのです。

人脈と運命力、流行りその他諸々はそれも実力といえばその通り。舞台に立ち笑いを取る権利はあるはずです。

 

これは実力が云々というお話。落語とピン芸人では要求されるステータスが違いますということ。

歌丸さんのいう「違う」はこれのことでしょうね。実力をもっと見てくれと。そして自分は別のものを見ていないと。

 

 

話題変えましょう


今回話題に挙げられていたアキラ100%はスリルを味わう芸風です。

が、となると同じくスリルを味わい楽しむ芸風のジェットコースターも芸人もとい芸機械となりますね?

しかもジェットコースターさん大人気だし落語家なんかより面白いのではないか、これはどうでしょうか?


落語は文学の結晶ですがジェットコースターさんは物理学の叡智。ここでは互角、引き分けです。

日本語の面白さや動きのわびさびわさびでの笑いをとる落語とスピード感の快感があるジェットコースターさんを比較してもどちらが勝るとは言いにくい。

では人気知名度動員数でみると?恐らくジェットコースターさんが勝つでしょう。数値化した訳ではありませんが圧勝かもしれませんね。

落語が勝てるのはコスト面や省スペースな点でしょうか?これは弱い。

ならやっぱりジェットコースター様が凄いじゃないか、一発芸も捨てたもんじゃないな!


この二者で着眼したい点は感情的か、否かです。よく理屈の左脳と感情の右脳と言われますがその違いが大きいと考えています。

人間、ロジック論理的な面白さより感情を爆発させて笑った方が楽しいと感じることが多いと思います。自分もそうです。

近いおもしろレベルなのに休日にどちらか選ぶ場合は感情的な笑いを取るジェットコースター様が指名されるのも頷けます。

しかもジェットコースター様は高所恐怖症や酔いやすいなどがなければ誰でも楽しめるでしょう。

対して落語は聞く相手が日本語や一般常識をある程度会得してなおかつ言葉の面白さを理解できる人間でないと効果を発揮しないという制約の存在も大きく欠点。勝てる通りがありません。

 

ただジェットコースターは何度も乗って入れば飽きますし、同じもので広がりを持たせるのは限界があります。

しかし落語は日本語や文化の数だけパターンを生み出し、演じ手によって同じ演目も全く違うものになります。

ここでの最適例はガムとお米で比較した感じですかね。最初美味しいか噛めば噛むほど味が出るか。

 

そうすると謎の動きとノリやすいリズム+言葉や行為を研究した共感しやすいあるあるネタの融合であるテツandトモは最強なのでは… 歌ネタは万人ウケしやすく良いですね。

サイレント映画の伝説チャップリンも他人の行動をよく観察した細かな動きと社会風刺をコミカルにすることで言葉がわからなくても大丈夫な芸を披露します。もはや芸術。


やや話が逸れましたがここでは二つの笑いの質の違い、そしてそれが好まれる傾向についてでした。この両方のバランスで芸風や好みは大きく変わります。

歌丸さんはこれの傾向を見て自分たちへの関心の敗北を憂いた、あるいは嫉妬したのかもしれません。

 

 

ですがここまでくれば結論は出ますね。

そもそも本質が別のものを同じステージに上げるのが間違っているのです。

歌丸さんは裸でお盆が芸じゃないとのことですが、アサルトライフルを持ちながら素手で戦うボクシングは戦争ではないと指摘したようなもの。比較というのは同じ土俵に立たねば成り立ちません。戦争ゲームのPUBGではアサルトライフルとボクシングが同じ土俵に立ってますがそれはまた別のお話。

比較をしたいのならどちらがより知名度が高いか、どちらがより実力で生き残れるか、どちらがよりパイナップルか等同じステータスを比べる必要があります。この例の3つは分かってもどちらがより本物か、面白いかどうかだけを比較することは難しいでしょう。

 

もっと言えば、左脳右脳の話も出しましたが今回二者の両方で笑うことは脳にとって大事なことなのです。

笑える一発芸、趣きの深い落語、どちらも理解し、面白いと感じ、笑うことで人生は多少良くなります。

さぁどっちの要素も過不足なく摂取できる吉本新喜劇を観よう!

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元気をくれる芸人さんや落語家さんに多大なる敬意を、クソみたいな長文をここまで読んでくださった方々に大いなる感謝を